円マークとバックスラッシュ(その6) [ISO0646]
さて、その困ったことの原因は、ASCIIは、アメリカでの利用を考えられて作られた。というより、アメリカでの利用しか考えられていなかったという点である。当然、ドイツ人が「ウムラウトどうしよう」てな話にはなるわけだ。
■ISO(International Organization for Standardization)0646
ASCIIでは、通貨単位文字も$しかないのだから、イギリス人は「ポンドをどうしよう」、日本人は「円をどうしよう」、などという話になってくる。(ここでは、「日本語をどうしよう」はちょっとおいておいて)そうなれば、各言語独自の拡張をしようというのは、自然の成り行きで、1967年に、ISOが「ASCIIを元にした各言語独自の拡張方法についての決まり」を策定した。「この決まりだけは最低限守って、各言語独自の文字集合を定義してね」という話だ。これが、ISO0646である。アルファベットや数字などの文字は、ASCIIと同じ位置(BCT : Basic Code Table)に置くことで、最低限の互換性を保とうということだ。そのかわり、各言語独自の文字は、それ以外の位置に定義しなさいと。さて、ISO0646では、ASCIIの持つ文字数の倍の2枚の表を定義できるとした。つまり、8×16=128の表を2枚使って定義をして良いよと。しかし、これは、256文字の定義をして良いということではない。ASCIIの表で、制御コードが位置していたところには、新しい2枚目の表も空けといてねという話。具体的には、下図を参照。
ISO0646で変更可能な文字
てなわけで、日本でも、ISO0646に則った形で、JIS X 0201 が策定されたのだが・・
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